素顔のユリーマ

考古学を、なるべく考えない限り
 

八月十一日

 映画『レスラー』で主人公のロートルレスラーが、

「80年代サイコー! ヴァン・ヘイレンとかガンズとかたまんないよね! ニルヴァーナが全部台無しにしたけど!」

 みたいなことを言ってて、そんなハッピーソングばっか聴いてるから「あんなこと」になった気もするし、そもそもその台詞、「演じたミッキー・ロークが言いたかっただけ」なんじゃないかとも思える。

 というわけで車にヴァン・ヘイレンのCD(あんまり人にお勧めできないジャケのやつ)突っ込んで、通院してきましたよ。

 千春さんが隣にいたら絶対嫌がられるやつ。昨日実家と墓参り行く時も、おとなしくレッド・ツェペリンかけようとしたら、「やかましい」と却下された。じゃあ僕は何を聴けばいいんだよ(遅すぎる反抗期)。

 それはどうでもよかった。

 病院では玄関で検温してる。ピッ、って瞬間的にあてるやつ。おお。80年代のSF映画っぽいぞ。「90年代はクソ」どころかもう2020年代だもんなあ。無理もない。何の無理がないのかと言われても答えようがないのだが。

 血圧110。まあ正常。たぶん。受付番号は18番。阪神タイガースのエースナンバーだからどうした。

 診察のとき、この二日くらいで気づいた(と思った)ことを「だだだだー」っと話したら、

「助言の必要はありませんね」

 と診断下る。それ診断だろうか。

 注射打つ。この二十八日後どうなっていることやら。どうでもいいけど筒井先生、21世紀ですから別人28号とか使わないでください、泣きたくなります。

 百円ショップ寄って帰る。百十円だけど。

 なぜか「柔道四十八技」の手拭いを買ってしまう。勝負に勝てますようにという願いからだが、すでに物欲に負けた。

 夕飯作る。咄嗟の閃きでフライドポテト作ってしまう。量が多いと言われた。

 そう言う千春さんは、お盆が近いせいか霊的な気を感じてしまって結構しんどそう。いや幻聴だってお互いにわかってるんだけど。とりあえず、肩をもむ。

 句集作業進める。今も打ち込みしてる。現在進行形。で、ヴァン・ヘイレン聴きながらである。80年代サイコー! だとは思えんが、そう言うノリの句集になるかもしれない。と言うか、どんな句集になるのか、いまだにぼんやりとしか見えてこない。

 頑張ろう。ある人から「二冊目の本、たのしみにしてる。シャー」と手紙をもらったから。それだけが理由じゃないけど。

  変換が吾妻ひでおと出す愛語  大祐

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