ついでに言うなら、地球も青かった |
九月二日
ブックオフで、カーヴァーの『ウルトラマリン』見つける。たぶん持ってなかったので、買ってしまった。
¥270。
この値段はどういう基準なのだろう?
値札を見ると¥270の下に¥500(おそらく)が見える。
美品なのに。
だいぶ昔の話だが、『アンチ・オイディプス』のハードカバーが百円で、やはり買った。
おかげで、新品の『千のプラトー』購入するとき、相当びびった。
別に出版文化がどうこう言いたいわけではない。
ただ、古本なんて騙し騙されにお金を払うわけで、時代が「騙すってどういうこと?」をきちんと共通理解してないと、やってけないだろうなー、とは思う。
そもそも本なんて、わざわざ「本」なんて書くところが怪しい。本当じゃないだろ。大方は。
それでも、「本当の本」がどこかにあると信じていた。
若かったのだろう。
今、僕の世代が「本」を読まない、と言われてるのは、「本当の本」がどこにもない、って思い知らされた世代だからじゃないかと思う。いや、簡単に世代論でくくっちゃいけないんだけど。
最近、井上靖の中公文庫読んだのだが、昭和五十年代、巻末広告の作家の名前が、決して否定ではなく、寂滅、という言葉を思い浮かべさせてくれた。
僕は結局、「本当の本」に辿り着けなかった。それは僕のせいだけである。
だからわがままだけど、本屋さん、「本」を置いてくれよ。わがままだってわかってる(だから余計たちが悪い)。
¥110でいいから。
『ウルトラマリン』、いま家に二冊ある。
物理学自虐の詩を落とす塔 大祐
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