あるいは酒でいっぱいの海

無が零に変わる刹那


九月六日

 右瞼が腫れて、ひどく 醜い顔をしている。そんな自分が大嫌いだ。

 九月も六日まで来てしまった。

 何をしてるんだろう、自分?

 足の皮を剥いてしまって膿が出て、柔術の練習休む。

 カーヴァーがキツすぎて読めない。

 肝心の川柳は一句も書けない。

 昼間、ぼんやりと、「このまま消えたらどうなるかなあ」と思いつつ、眠った。

 夕食はカレー。

 久しぶりに他人の手でカレーライスを作ってもらった。鶏肉が大きめに切ってあって、それがとても嬉しくて、さらにオクラまで入っていて、ただもう嬉しかった。泣きたいほど——泣けるまでカレーを食べた。4皿お代わりして、鍋が空になって、腹が満タン以上になって、そのまま風呂に入ったら、瞼の腫れがかなり引いていた。

 すごいぞカレーライス。食べられてくれてありがとう。千春さん、作ってくれてありがとう。明日からまた頑張ろう。頑張れないかもしれないけど。

 すっかり周囲は秋の虫。台風前夜。

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