宇宙船ビーグル号の冒険

何の日? 日ってなあに?


十月十二日

 朝、体操に行って、公園で栗を拾う。いがぐりは触るとずきり、と来る。

「いいのが落ちてないなー」

 千春さんは野の植物のプロだ。地に落ちている栗のいがは、すべて空っぽ。

「私に任せて、ふんっ」

 と栗の木に、ジャイアント馬場全盛期の16文キックのごとく(禁じられた右足で!)蹴りを入れ、

「あああ、痛い!」

 と膝を抱えてうずくまる。

 一連のモーションがとても愉快すぎて、昭和全日というより令和DDTぽくて、大笑いしあったが、その後も千春さんは「膝が痛い」と訴え続ける。格闘家は大変だ。いやうちの千春さん格闘家じゃないけど。ちなみに一個の栗も落ちてきませんでした。

 家で仕事して、健康診断の結果聞きに行って(血中脂質が高めだった。いつものこと)、一緒に栗の皮むいて、外に仕事に行って、帰って、夕飯食べて、川柳作って、風呂入って、千春さんは「私はばかだあー」と嘆き続けるのでツイートのねたにして、 詩を書いて、久々に筋トレして、QUINTET観て、エリクソン『リープ・イヤー』を読み返しながら眠る、だろう。

 このブログ書いたことには言及していない、という言及。

 そうやって幻のスポーツの日が終わる。来年もかい! とは思う。

 明日、外科医に連れてくんだ……(フラグ?)。


  芋寺に銅像をみる永い午後  大祐

コメント