星ぼしの荒野から

玩具は壊れる。〈もの〉か〈こと〉か。

十月二十五日

 柔術休みなので、宮田村「哲学カフェ」に行く。

 宮田は隣村。そこの「地域おこし井戸端会議」という組織(なのかどうかもまだわからない)が一月に一度開いているらしい。薄ぼんやりと人生送ってます。

 申し込みの電話がなかなか通じず、諦めていたら昨日向こうから連絡あって、急遽千春さんに家の掃除をお願いすることに。すまんというか、ありがとう。

「村人テラス」というところで開くらしいのだが、薄ぼんやりと地図検索かけただけで行ったら、案の定迷った。

 商店街の駐車場らしきところに車停めて、薄ぼんやりと(そんなに薄ぼんやりが好きなのか)歩いて行ったら、あった。それも車で二回ほど通り過ぎたところに。厚ぼんやりである。

 運営の人、どこかで見たことあるなあと思っていたら、かかりつけ病院の看護師さんだった。

「いやあ、まさか〇〇さんがやってらっしゃるとは思いませんでしたよ」

「え、川合さんに確認の電話したの、私ですよ」

 厚切りにも程があるぼんやりボンヤリスキーだ。ボンヤスキー、今の若い子はもう知らないのだよ。わはは。齢46年。

 で、哲学カフェ、参加者は八名程。大学の哲学の先生と輪になって、「今気になっていること」について意見かわしあう方式。その方式を聞いた時からソクラテスっぽいことやるの? と思っていたら、先生、やっぱりソクラテス目指しているらしい。あ、ソクラテス的なやり方を、ということです。

 自己紹介で、

「川合です。川柳書いてます」

 と言ったら、

「ああ、そういう歌人の方は言葉を大切にしますね」

 と、穏やかに言ってくださった。川柳です。川柳の市民権ということを、二十秒ばかり考えてしまった。

 議論をざっくりとまとめると、「ペットに対する倫理」について。

 僕は初参加だというのに、というか初参加でテンション変だったのか、やたら喋りまくる。

「そもそも、人間はなぜペットの幸福について想像できるのでしょうか?」

 と疑問を呈したまでは良かったが、だんだん暴走して来て、あげくの果ては、

「そもそも、愛って何なんですかあっ!?」

 と宇宙刑事ギャバンな絶叫をしている。ためらわないことさ。いやためらえよ。先生、皆さんすみません。こういう男なんです。

 さて駐車場はどこだったかいな…もう薄ぼんやり言いません。ぼんやりです。また迷いました。

 家帰って、予想通りブンゲイファイトクラブ 敗退してるの確認する。悔しいんだけど、どこかでほっとしている。いいのかそんなこと書いて。書いてしまったものは仕方がないねえ。正直言って悔しいよ。でもほっとしてるよ。今夜ゆっくり眠ろう。

 ユニクロで靴下買って、ニシザワで食料品買って、川柳書く。今日は21句。こんなんでも最近にしては多いほう。一晩で80句とか、もうできない体なのじゃよ。またするかもしれんけど。

 コントレイル観て、千春さん泣いていた。

 友達呼んで、千春さんと三人でお好み焼き。普段はシーチキンなのに、今夜は薄切り肉が入っていた。いい日だ。

 Twitterいじる。『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房)関係、リツイートしたいんだけど、やりづらい。大統領選の馬鹿野郎! というかトランプの病は世界の病! というわけでエリクソン『リープ・イヤー』、スコセッシ『タクシードライバー』読書&観賞細切れに継続中。だからどうなるもんでもないけど。そんな時代もあったのじゃよ。

 ぼんやり終わった日曜だけど、いい日だった。明日、句集の打ち合わせメールを書こう。『リバー・ワールド』、来年刊行予定です。


  ベルギーに行かず玩具を修理せず  大祐

 

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