Smells Like Teen Spirit

 

檻には天井が必要なのか?

八月三十日


 ひえー。稗田阿礼ー(by黒崎緑)。更新期間が大幅に空いてしまいましたよ。でもそんなの関係ねえと言ってる時点で「関係しない」という関係が成立してしまっているひとりごとブログ、今日のナンバーはこいつだ!


『プロレス大全集』

 Apple Music で見つけたアルバム。スタン・ハンセン「サンライズ」、ブルーザー・ブロディ「移民の歌(ちゃんとツェペリンじゃないやつ)」からはじまって、馬場鶴田天龍タイガーマスク(三沢のほうの)にカブキ、最後はファンクスで締めている。つまりそういう時代の全日を網羅したやつなんですね。だからと言ってチャボ・ゲレロとかリッキー・スティムボードとか、網羅しすぎだろ! まあ「ギャラクシー・エクスプレス」とか聴けるのはありがたすぎる。「翻り」にインサートしてくる「ヤンキー・ステーション」とか貴重なのでは。てかどうせなら「オリンピア」入れてよ! うわーん。泣けてくるよーとクソガキに化してしまうくらいあの頃全日全開なのですね。

 しかし、と思う。

 このアルバム、何故か「アーティスト名」が「ジャンボ鶴田」とか「Mil Mascaras」とかになっているのだ。いやカバーなのはわかるけど! 彼ら絶対プレイしてねえだろ! いくら鶴田がフォークシンガーでも!

 曲名「タイガー・ジェット・シン、アブドーラ・ザ・ブッチャーのテーマ(吹けよ風、呼べよ嵐)」の「アーティスト」が「Tiger Jeet Singh/Abdullah the Butcher」と堂々表記してあるのにはウソつけ! と大笑いした。

 これは何か? シン(全日に来てた頃ですね)がロジャー・ウォーターズでブッチャー(新日から帰ってきた頃ですね)がデヴィット・ギルモアというアナロジーなのか? 二人で(あと馬之助とかキマラとか入れても可)機材てんこ盛りにしてオンステージしてるとこ、想像してしまったよ。ウォーターズのツバ攻撃はどちらかと言うと永源ですけどね。いやもうなんかそういうことじゃない。

 どちらにせよ中古CD屋を漁っていた一昔前に比べると、利便性と裏腹のネット社会の恐怖というか、変な時代になったものです。「ニック・ボックウィンクルのテーマ(プロレス・イン・ハワイ)」(当然アーティストは Nick Bockwinkel)なんて二十一世紀における需要って言葉知ってる? ねえ需要って知ってる? 誰に訊いているのかもう分からないのだが。

 さてそんなフリーバーズなアルバム、「ジャインアント馬場のテーマ(王者の魂)」という馬場らしい豪快でスケールの大きな誤記をかましてくれる。アーティストも無論「ジャインアント馬場」だ! ジャインアント……ジャイアンよりスケールがでかいか小さいかわからない。是非声に出して読んでみよう。「ジャインアント馬場」。ジャインアント台風吹きまくりである。吹けよ風、呼べよ嵐。うまいこと言おうとして失敗しました。そろそろうちのMacが「ジャインアント馬場」と覚え出す時間です。このへんにしておきますね。どこかで私が「ジャインアント馬場」と書いていたら、まあ、たぶんそういうことです。察してください。察しの文化日本。というか察しの全日本プロレス。今アジアタッグって誰なの? というくらい遠ざかってしまったが。

 あれですよ、三沢たちが抜けて天龍が帰ってきた(?)のはまだいい。でも渕さんとのタッグで「J」+「サンダーストーム」の合体バージョンが流れた時、「あ、俺の全日本は今終わった」と思った。明確に論理的な理由はうまく言えません。察してベイビー。

 そんな天龍源一郎のテーマ「サンダーストーム」も収当然録されたこのアルバム(アーティストは当然……もういいですね)、Apple Music 加入された方なら必聴! なおステマではない!

 で、以下余談をふたつ。大概がそうであるように本当に言いたかったことはこちらに属する。


1.時事ネタでNIRVANA の NEVERMIND なのだが、宇野薫はスメルズをテーマ曲にしてるけど(確か去年だったかの QUINTET でも使ってた)どうなんだろう? って答えはあるわけじゃないしなんか面倒くさい問題すぎて語らないでおく。ただ、自分、第一回ブンゲイファイトクラブに「ニルヴァーナ 川柳一〇八句」で出たんだよね。初戦で負けたけど。もし二回戦行けたら「『コーネリアス 川柳109句』にする!」とかカマしてたのは実にやばいことだった。ちなみにもっと勝ったら「頭脳警察 川柳110句」にしようとしてた。発想が低級だが世界がB級でなかったことなんてなかったのかもしれない。


2.『プロレス・スーパースター列伝』読み返してるんだけどタイガーマスク(佐山のほう)を介した梶原一騎の全能感がヤバすぎる。「まるで言うことを聞いてくれない」ちばてつやと「必要以上のサービスを供してくれる」原田久仁信の違いをアナライズしても面白いのかもしれないが、やっぱり全能感って不全と密接なんだなあ、とか素朴な感想に留めとく。でもさ、ヤバいよ、これ。Amazonで読めます! ステマではありません! うわははははははははは(全能感)


  靴下を脱ぐ日に地動説を知り


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