かきわすれたことばかり、ひたすらに書く |
十一月八日
観葉植物買う。調べたらクロトンとかいうらしい。リュウセイとも。尖鋭の葉に黄色いまだらが散らばっている。ネットによれば「とにかく明るいところに置いてあげてください」。自分の部屋を見て、あああ、と思う。これから毎朝、陽のあたる場所に運んであげよう。そして夜になったら部屋に持ち帰ろう、と決める。少し、嬉しくなる。
ハンバーグのタネこねて、仕事に行く。
途中iPhone がぶん、と揺れたが、仕事中なので放っておいた。帰りの車に乗る寸前、開いたら、千春さんが一言、「吐き気がする」。
帰宅。
千春さんこたつで倒れている。
「どしたー?」
「きもち、が、わ、るい」
「吐いた?」
「ちがう。PMS。悪いけど、お願い」
というわけでハンバーグ焼く。焼けたかどうか見てみよう、と爪楊枝を刺したら、赤い汁が噴き出してきたのでさらに焼く。結果少し焦げた。肉汁にケチャップとやっすい赤ワインでソース作る。塩入れすぎたかな、と思う。
と、トイレから千春さんが歓喜の声。
「だいすけくん、きたー!」
北公次でも北尾光司でもない(この二人の名前からはじまる類縁性はどこかで書きたい)。来たのである。生理。
「今回、早かったね」
「ながかったよー。私的にはー」
調べてみたら33日周期だった。
サラダとスープは千春さんが作ってくれていた。肉口にして、やっぱりソース塩入れすぎである。でもハンバーグ自体はぞくぞくするような味だった。
千春さんは「おいしー」と言ってくれた。その顔が、菩薩様のように見え、あー修羅と仏というのは基本セットなんだなーとか思う。
洗い物して、ツイートして、風呂入って、先にあがった彼女の顔はつるりと輝いていた。
とか言っていたら僕が体調悪くなってきてしまった。たぶん精神的なもののせい。文芸ファイトクラブの2回戦進出者が明日発表される。正直を言っているつもりだが、どこかで「もういいや」と思っている。でも反比例して、痛烈に勝ち残りたいと思っている。菩薩と修羅、か。そんなたいそうなものでもない。
ところで昨日くらいに『マトリックス』二〇年以上ぶりにちゃんと見返したんだけど、うん、やっぱりこれ退屈な映画だ。それは先進性であったからだと今ならわかる。斬新なものは往々にして退屈だ。
というわけで寝ます。千春さんおやすみなさい。明日になったらクロトンを陽のあたる場所に運んであげるんだ。明日になったら。
歯科技師の伝記のカナダ版盗み 大祐
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