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自由でありたかった

 

十二月一日

 師走のはじまりということで、「『ルパン三世 カリオストロの城』の五ヱ門の台詞だけでその場を乗り切る」という何の益にもならない営為を思いつく。

「あした早いからもう夕飯にするねー。あ、六時起きでお願い」

「仕事か」

「漬物、らっきょうと大根とどっちがいい?」

「無益な殺生はせぬ」

「よくわからないけど、らっきょうは嫌なのね。じゃ、大根盛っといて」

「またつまらぬものを切ってしまった」

「なんか変だよ。まあ、いつも変だけど。あ! お花買うの忘れてた」

「怪我による一時的な記憶の混乱だろう」

「怪我してねーし。もう、さっきから何言ってんの。風呂入ってくる」

「さあ、ゆかれよ」

「だーかーら、その変な喋りやめて。ほんきで怒るよ」

「……可憐だ」

「え」

「可憐だ」

「やだもー、なに言ってんの。わかってるんじゃん。やだもー、照れる」

「毒を以て毒を制す、か」

「あンだあ⁉︎」

「エホン!(咳払い)」

 ……ということで人間、やればなんとかなるものだ。こういうその場しのぎで人生渡ってくの、本当どうかなと思う。

 中日新聞南信版の取材があったので、なんとかしのぎ切った。「南信版」なので南信州の人しか読めないが、よかったらその目で確かめてください。明後日ごろ載るそうです。また告知しますね。

 という一日が過ぎる。まだ、本調子ではない。なんかいろいろすみません。


  十二月一日付けのフェティシズム  大祐

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